ツギハギの恋
犬が喋った?


いやいやいや。

は?

いやありえんし。


て……

「犬がしゃべった!?」

「まあ、そう言うよね」

「えっ?電池式!?」

「みんな同じ反応するよね。君で5人目。まあ珍しいけど飼えば……「キモい!」

犬の話しを遮るとあたしは気味がわるくてその場を離れようとした。

「もー」


犬はぼやくように呟くと逃げ出すあたしの背後にいきなり飛び掛かってきた。


「嫌ー!何!?」


キモい!マジ意味わかんない!


「人の話しはちゃんと聞かなきゃだよ」

「犬のくせにムカつく!」


何この犬……

引き気味にその場にへたり込むと犬は尻尾を振りながら纏わり付いてきた。


「ねえ、君の名前は?」

「……ミリ」

「ミリちゃん俺のこと飼ってよ」

「飼わない!」

「俺喋るだけじゃないよ。人型にもなれるよ」

「じゃあ今なって見せてよ」

「いや犬って服着てないから……ここでなったら全裸だよ」

「キモい!!」
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