ツギハギの恋
ひなたを連れて生徒だらけのバスに乗るのは目立ち過ぎる……。


散歩も兼ねて、あたし達は家までの帰り道を手を繋いでゆらゆら歩いた。



さっき校門であっちゃんにひなたといる所を見られたかもしれない……

でも、もうどうでもいい。

あっちゃんを振った理由がひなただと思われても別に構わない。

嫌な女だってあっちゃんに思われてもいい。



「ねぇ……家まで歩いて1時間かかるの?」

「んー途中、走ったから。歩いたらもっとかかるんじゃない?」

「マジかよ……」

「お散歩じゃん?」


ひなたは無邪気に笑いながら繋いだ手をぶらぶら揺らした。


コイツが普通の男だったらいいのに……


人の姿になったひなたを連れて歩くのは正直、悪い気しない。


ただ連れて歩くには格好がイマイチだけど……


あたしは小さくため息をついた。
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