近未来拡張現実エンタメノベル『MIKOTO-The Perfect PROGRAM』
☆爆発炎上ビジネス(2)

振り向けばアレがいた。冷やかなじと目で俺を見ているまいら様だった。
「・・・釣り針がデカ過ぎて誰も食いつかないと思うんだけど」
「そ、そうかあ?俺的には結構イケてるんじゃないかと思うんだけどなーコレ」
「ていうかさ、悪趣味なビジネスやってるよねー。もうちょっとマシな稼ぎ方ないの?」
「でもいったん炎上すればデカいんだよコレ」
「そりゃそうかも知れないけど・・・だましてるよねソレ」
「何を言う!コレは人さまと人さまとの価値観のギャップを利用した、れっきとした良い子の21世紀ビジネスですよ?」
「そういう黒い人キライ」
きらわれてしまいました。
「あ、お水ですねはーい」
マメ台風は去って行った。

要するにこれは、アフィリエイト収入を狙った「釣り記事」というやつだ。
この記事を見て怒髪天モードになったゲーマーが反論し、それに続いて擁護が入り、また反論し、それの繰り返しでこの記事がホットエントリー(熱い話題)のランキングページに入る。
気になったユーザがそれを見てさらにアクセス数を増やし、それによってさらにランクが上がり、あとは雪だるま式にアクセス数が増えていく。
そして記事の中で例に挙げられた商品を気にさせ、アクセスしたウン万人の何パーセントかだけでも購入してくれれば儲かるという仕組み。
黒いと言われれば黒いが、黒いです、ごめんなさい。

「ごはんでけたよー」
「わーい」
白いごはんが大好きです。今日はまぜごはんでした。
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