近未来拡張現実エンタメノベル『MIKOTO-The Perfect PROGRAM』
☆クロスオーバー(2)

「・・・ねぇ!」
「はぁ、はぁ、なんだ!?」
「お兄ちゃんは、ヱヴァンゲリヲンなんだよね?」

そんな話を、昔まいらにしたことがあった。確か、強くなれるためのヒミツの方法、みたいな話だった。幼いまいらの凄くうれしそうな笑顔が見えた。

「そうだ!」
「じゃあ、BGM変えるよ!」
ヘッドセットから響く音楽が変わった。血がたぎるあの曲だ。イキな真似をしてくれる。

深みを増す闇の中、全神経をLEDヘッドライトの明かりに集中した。
もし前タイヤで空き缶でも踏んづけようものなら、俺の身体は宙に舞う。
額の汗が目に流れ入ってくる。視界がぼやけはじめた。

だんっ!
うわっ!
アスファルトの継ぎ目を踏んで車体が宙に浮いた。何とかこらえて着地する。
遠くを見られないから芯が安定しない。自転車は近くより遠くを見ているほうが安定するのだ。

時が経つほど悪条件が増えていく。もうスピードを下げざるを得ない。そう判断した。
その時だ。
パッと、俺の進路が強力な白い光で照らされた。
後方頭上から、バラバラバラとヘリの音がする。
「お兄ちゃん!」

まいらが俺に追いついたのだ。ヘリコフのライトが煌々と俺の進むべき道を照らしている。
それとヘリコフにはなにやら球状の謎の物体がぶら下がっていた。なんだあれ?

「はぁ、はぁ、着いったアッー!のログはどうなってる!?」
「だめ、まだ未解決・・・」

-----
(未解決)
ぽこ:もう、ゴールしていいよね
約8分前 現在地はココ
-----

なんでだよ!!まだ未解決か!!

< 26 / 44 >

この作品をシェア

pagetop