婚約指輪を君に~恋した相手は17歳の王子様!?


「あ、葵?」

耳から聞こえてくるのは愛おしい人の声。


だけど


今は一番出たくなかった相手。



・・携帯のディスプレイはちゃんと見るべきだったと
今更後悔したって遅いけど。



「う、うん。どうしたの?」


こそっと電話に手を当てて声の主に返事をする。


「いや、昨日結構飲んでたからさ大丈夫かなっと思って」

「あ、ありがとう。もう大丈夫。昨日はごめんね。
送ってくれてありがとう」

「いや、いいんだ。それよりさ、来週空いてない?
葵のご両親にきちんとご挨拶したいからさ」

「う、うん。また連絡」

あたしが最後まで言えなかったのは慧に携帯を奪われてしまったからで。


一度耳にあてた後、電話を切ってベッドに投げた。


「ちょっと何するのよ」

「葵は俺と結婚するんよね?」

あたしを
コイツはまた何を言って


「だからあたしは」
「絶対に認めない」

「そんな事言われたって・・あたしは好きでもない人と
結婚なんてできないの!」

「じゃあ好きになればいいじゃん」


・・・は?


「ってか絶対に葵は俺の事を好きになる」





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