KITUNE
ワガママだって分かっていた。

けれどわたしの意思は変わらない。

コムラはしばらく黙っていた。

長い長い沈黙の後、わたしと眼をそらしたまま、顔を上げた。

「…分かった。ちょっとだけなら」

ほっとした。

コムラの優しさにつけ込んだ、意地の悪いことだって分かっていた。

分かっていても…止まれなかった。





その後、ミトリとキムロを呼び戻し、わたしの意思を伝えた。

ミトリは危険だと猛反対したけれど、キムロはおもしろそうに笑っていた。
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