KITUNE
だから山の主や神々達は…。

「…りんには苦しい思い、させちゃったね」

神社の中で寝転がっていたコムラは、わたしの手に触れた。

その冷たさが心地良くて、わたしは自分の頬に彼の手を当てた。

「ううん。知った方が良かったことだわ。…自分のすべきことも分かったし」

「すること?」

「うん。まずは…」

わたしはグッと拳を握り締めた。

「村の人にこの山の神社を知ってもらうこと!」

「ええっ!」

「だからキムロやミオ達に、イタズラしないように言わなきゃね」

「なっ何でっ…」

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