月と太陽Ⅲ
しかしサスティンにそんなことを考える余裕などなかった。
父と同様にサスティンも正気でいられるはずがなかった。
あの姉が……
有り得ないことだった。
サスティンはガクンと膝をつくと呟いた。
「俺が…俺がちゃんと止めていれば」震える声で言う。
「そうだ、俺が……」
サスティンは涙をためながら自分を責めた。
何をして姉さんが戻ることがないのは分かっていたのに。
ただ俺は自分を責めた。
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