月と太陽Ⅲ



そして全員を見つめながら続ける。


「ヘレナはとても頼りになる情報屋だ。しかし留守にしている事が多いからな……。会えるかどうかは運次第だが行ってみる価値はあるぞ」


レオルの瞳は希望に満ち溢れている。


「とにかく目的が出来たんだし、その分、早く村を出ましょう。ここに長居してる場合じゃない」


エセルはみんなに呼びかけるように周りを見渡した。


あとの三人が深く頷く。


「もう出発なさるのですか?」


ソフィアが残念そうに尋ねた。


すると傍にいたエセルが向き直り、こちらも残念そうに口を開いた。


「はい…。でもまだ一つ村長さんに頼まなければいけない大事な用が残っていますので――」


「兵の事かの?」


後ろで低く嗄れた(しわがれた)声がした。
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