月と太陽Ⅲ

第六夜、アルスの騎士




涙が乾いた頃になってようやく自分の気持ちが落ち着いた気がした。


レオルとの別れ際、なぜ突然自分からあんな言葉が出たのだろうか。


エセルはそんな事を考えていた。


レオルの様子がおかしかったのは明らかだ。あんなレオルは初めて見た。


そんな彼を見て、エセルは彼がどこか遠いところへ行ってしまうように思えたのだ。
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