秘密な基地
過去
タケシは、悩んでいても
仕方ないのだと、
一呼吸置き、
ノブオに笑顔を見せました。

「僕はタケシ、
 よろしく、11歳、
 小学六年生だよ、
 ノブオ君は?」

「あっ、一緒だ、
 でも君、学校に
 いないよね、転校生?」

そう聞かれ、タケシは、
それはこっちのセリフだよ、
と思いつつも答えました。

「そ、そうかな…、
 僕もこの辺の学校だけど…。」

タケシは、気付きました。
ここにいるノブオは、
自分が、未来へ
タイムスリップして
来た事に気付いて
いないのだと…。
僕は君の息子です、
君は未来に来てるんだよ。
と言っても、
信じるどころか、
混乱するに
違いないだろうと…。
タケシは、慎重に
話を進めました。

「ノブオ君こそ
 どうやって来たの?
 ここに。」

ノブオは顔をしかめました。

「君は、つくづく変な事
 聞くよね、
 僕は学校が終わって
 いつものように、
 ここに遊びに来ただけだよ。」

それを聞いて、
タケシも顔をしかめました。

「えっ。」

嫌な予感がタケシの
脳裏をよぎりました。
しかし、洞穴の中を
見渡しても、
いつも見ている
秘密基地と
変わりありません。
とは言えその位で、
その嫌な予感は消えません。

「外に出ようよ。」

タケシは、外へ駆け出しました。

「えっ、ちょっと
 どこ行くのっ?」

ノブオはあとを追いました。

 山道を駆け下りると、
我が家が見えてるく筈です。
しかし、
そこに見えたものは…。
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