【奏】たらればの時間


カズの一言で引き寄せられて


いつしか…



二股…しちゃってた




早くどちらかを選らばなきゃ…



そう思うのに

思えば思う程に悩み

友達関係で悩んでた私は
迷いながらも
学校という狭い箱しか見えず
彼氏を…カズを選んだんだ



でも…カズは
束縛されるのが嫌いで
隙あらば浮気しようとする



社会人になった今もそうで





あの時…もしも…



――…そう考えずにはいられない…





マンションのエントランスで待ち構えてるとカズが帰って来た



問い詰める私に
エレベーターを待つのも
もどかしいらしいカズは
普段、使わない階段を上がり始めた




「ちゃんと説明してよ」



「だからただの遊び
ゲームみたいなもんだろ」


「にしても、彼女のツレとかなしでしょッ」


友達だなんて言いたくない



「向こうから好きとか言い出したんだし
別に浮気してねぇんだから
いいじゃねぇか」


「良くないよッ」


思わずカズの腕を握りしめた



「ただメールしてただけだろうが」




最低



最低





こんな事なら…




「あぁもぅうぜぇ

いい加減にしろよッ」




「こっちの台詞…」



言い終わる前に
私を振り切ろうとカズが腕を振り上げた





その途端

自分の身体が浮いたのがわかる






………――――落ちる




まるでスローモーション



「ミサキっ!!!!」





焦ったカズの声が聞こえる





こんな事なら…



あの時…



あぁしてたら…



あぁしてれば…




――…良かった…











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