恋の唄


お昼休みを告げるチャイムが校内に鳴り響く。

先生が授業の終わりを言葉にすると、一斉に生徒が動き出した

隣りの席の華原君も、無言で立ち上がる。

いつもはここで私に話しかけてきた。

今日はお弁当なのか、中身はなんなのか、とか。

だけど……


あの花火の日以来、私と華原君にはとてつもない距離が出来てしまった。


自業自得。
華原君の想いを私の勝手な考えで拒絶してしまったのだから。

私は私で華原君の目を見る事も出来なかった。

ただ、こっそり遠くから華原君を見守るだけ。

元気に笑っていてくれると、それだけで安心出来た。

それは、一緒にいると、支えになると誓ったのに、それを守れない私の自己満足。


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