恋の唄
『ふーん。まあいいや。つーか俺、もう着いた』
「ええっ!? 嘘っ、ごめん!」
もしかしていつの間にか約束の時間になっていたのかと焦って謝る。
混乱の中、机の上を片付けて鞄を持って立ち上がった。
「すぐ行くから!」
『や、焦んなくても時間にはまだ──』
「急ぐから少しだけ待ってて!」
『お、おう』
少しだけ笑い含んだような返事が聞こえる。
けど、そんな事も気にならないくらい焦っていた私は走って学校をあとにした。