恋の唄


少し自分に呆れながら何気なく床に置かれていたクッションに腰を下ろした。

テーブルの上には雑誌が1冊だけ乗ってる。

俺は背後にあるベッドを背もたれにして、なんとなくそれを手にして読んでみた。

結衣が好きそうな系統のファッション雑誌。

そういやいつだったかメールで秋用のジャケットを買いたいとかなんとか言ってた気がして、俺はポケットから携帯を取り出した。

メールの履歴には結衣の名前が並んでて、結衣と過ごした時間が呼び戻される。

ディスプレイに表示されてる文字は他のメールと同じだってのに、結衣の名前があるだけで優しい印象を与えていた。

結衣の性格がそう見せてるのか、俺の想いがそう見せてるのか。


……多分、両方だろう。



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