恋の唄
知らずに頬の筋肉が緩んで、気持ちが朝よりも更に軽くなる。
返信しようと操作しようとすれば、手の中で突如携帯が震えた。
知らない番号の表示にもしかしてと思い通話ボタンを押す。
「もしもし?」
声を出して相手に話しかけると、聞こえてきたのは……
『お、結衣? 俺』
予想……というより期待していた華原君の声。
「華原君?」
分かってはいるけど確認してしまう。
『そー。メールに番号入れるの忘れたからメンドイし電話してみた』
「そうなんだ。あれ? 今日は部活じゃないの?」
『今着替え終わったとこ。時間まだ余裕あっから心配すんな』
「うん。番号、ちゃんと登録しておくね」
何を話したらいいのか分からなくて、とりあえず当たり障りのない会話をしてしまう。
さっきから心臓がドキドキしてる。
『おう。ま、遠慮しねーで暇ならメールでも電話でもしてくれ』