恋の唄
「結衣の名前発見!」
「どこ? 何組?」
「B組だよ。ホラ」
伊織ちゃんがピンッと指差して教えてくれる。
私はすぐに視線を2-B組に移して自分の名前を探した。
すると、見慣れた漢字の並びが視界に飛び込んできた。
『天音 結衣』
確かに2-Bだ。
しかし残念な事に伊織ちゃんはE組だった。
彼女がしょんぼりと肩を落とす。
「あ~…結衣と離れちゃったぁ~」
「寂しいね……って、伊織ちゃん、真柴君は?」
「そうだ! どこだろっ」
一気に伊織ちゃんの瞳が忙しなく動いて真柴君の名前を探す。
私も一緒になって探したけどE組にはいなくて……
やっと見つけたと思ったら、なんとB組だった。
羨ましがる伊織ちゃん。
そしてさらに彼女は羨ましがった。
「結衣のクラス、華原君もいるんだ! すごいねー」
真柴君と華原君のダブルなんて凄いと心底羨ましがっている。