恋の唄


『一花』

ここで華原君にそう呼ばれた彼女は、可愛らしい人だった。


昨日と同じ様にテニスの大会が行われているらしい会場。

応援に来ている人は昨日と同様に様々で、中には小学生や中学生らしき子たちもいる。

テニスが好きなのか、それとも家族や友達の応援なのか。


そういえば、華原君も確か中学の頃からテニスをしてたはず。

その頃はどんなテニスをしてたのだろう。


私の知らない華原君を、一花さんは知ってるのだろうか。

そんな風に考えたら寂しさと嫉妬がごちゃ混ぜになって心に住み着く。

黒くて痛みさえ伴う想いに、どうしてまたここに来てしまったのかと少し後悔した。


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