ノン・レス



「え!?イズミったら

山口君と付き合ってんの?」


新婚旅行から帰ってきたアキラの

新居に遊びに行った時。

アキラに、

山口君から告白されたことを打ち明けた。


「ち、違うよ!

付き合ってはいないんだって!」


あわてて訂正する。


「おっかしーなー、

せっかく披露宴の席を田村くんの隣にしといたのに…」


なんて言いつつも、

アキラは2つのティーカップに紅茶を注ぎながら

ニヤニヤと私を見ている。


「でも、いいんじゃない?

私としてはちょっと、

予想外の組み合わせだけどさ…

なんか、イズミ、

楽しそうだし」



あんなに、あなたのことばっか相談してたのに

別の人と食事とか行ったりして

アキラは幻滅するかな、とか

打ち明ける前に、そんなことも考えたけど。



やっぱり、アキラはそんな子じゃない。

私自身よりも、私のこと

良く分かってくれてるのかもしれない。



「うん…田村くんのことはね、憧れっていうか…

たしかに、こないだも、

会って話すの緊張しちゃったりしたんだけどさ。

なんていうか…

身近で自分のこと見てくれてる人がいて、

すごい嬉しかったっていうか…」



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