ノン・レス



お通夜は

私たちの通った高校のある

地元で営まれるらしい。


午後6時の開始までには

まだ半日近くあった。


「山口君、私…

お昼くらいに

アキラのトコに行こうと思ってるんだけど」



昨日の電話の様子だと

アキラが心配だ。


もちろん、

旦那さんがついていてくれるのは

心強いけど…



旦那さんは、違う高校。

私は、アキラと、

あなたと…

共通の仲間だったから―――


今は、生徒会の仲間が

一緒になって

支えあう時だ。

そんな気がした。



「じゃあ、俺も行っていいかな。

その前に、

うちに着替え取りに戻らないと」


私は

念の為、アキラに

2人で向かうとメールを入れた。


すっかり黒い服装に着替えると

私は、山口君の家まで

一緒に着替えを取りに行った。


今は、

一人になりたくない。

言葉には出さなくても、

その気持ちは同じだった。



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