砂のお城
電車の窓から見える景色は、見知った景色から知らない景色へと移り変わっていく。

俺が15年の時を過ごした場所は、本当に狭かった。

けれど、あの場所が俺と優花の始まった場所だ。

全ての思い出はあの場所にある。

俺の大切な場所だ。

そして、俺はそこを飛び出して、今新しい一歩を踏み出そうとしている。

今度こそ優花を離さないように。

俺は、もう、何も分からなかった子どもじゃない。

まだまだ知らないことはたくさんあるけど、それでも大切なものが何かくらいは分かるようになったと思うから。

―優花、早くキミに会いたい。
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