キミの日記『Cherry's Diary』

『頼む』


それから梅雨も終わり

夏がやって来ようとしていた。

コウスケとはうまくやっている。

桃乃木とはどうするかってのは

真剣に考えたんだけど

決まらない。


学子と屋上で話して以来

ずっと考えた。

もしも

桃乃木が私に告白してきたらどうするか

学子とも相談し、

自分でもよく考えて決めた。


私は選択した。


春の終わりから

こっそりとはじめた居残り勉強もそれが理由。

桃乃木とは顔を合わせられない。


今日も勉強漬けの日課を終え、

いつものように帰宅。



だけど、楓さんのお見舞いには行っている。


桃乃木とは距離を置く。

そうは決めていたが楓さんの話は別の話。


あいにく天気はどんよりとした曇で

今にも雨が振り出しそうで気配だった。


今日は手ぶら。

顔だけ見てこようって思ってたから。

病院の階段を

登って楓さんのいる病室へと向かった。


病室の扉は暑いためか全快で

廊下から楓さんの他に誰かがいるのが見えた。

それは、

桃乃木だった。

最初は、帰ろうかとも思ったんだけど

勇気を出して行くことにした。

私の事に気がつかなかったみたいだったので

トントンと、ノックをして入った。



「あら、美里ちゃん。ほら、純!」


「・・・久しぶり。」


2週間ぶりに見る

楓さんの顔はさらにやせ細っていて、

顔にいろんな器具が取り付いていた。

明らかに悪化している。

心なしか声も変化しているように思えた。
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