アズライト

光とティアラ

 − 0時 −


ログインして部屋を出た
【WAN居住区】を抜けて
街の中心地へと向かう

「 うお 」




街は 夕暮れで

目の前にある教会が
神々しくライトアップされ
空中では雪の様に
光の粒が舞っていた


Taki『精霊キターー!!』
Mayu『スゲエエ!キレイーーー!!!』


− 風と共に
ギリシアの女神の様な
半透明の精霊達が
衣をたなびかせて空を過ぎる


Maxim『これはヤバイだろ…』

Ageha『やばいですよーwww
なんか涙出てきちゃった(:_;)』
隣に立っていた
見ず知らずの人と会話する


もっと皆、精霊を
追い掛けまくっているかと
思ったら
知り合い同士、座り込んで
星祭の情景をみつめていた


Kyuru『やばい 遅れた(>_<) 』

Hatasan『平気 連絡入れといた
いつもの場所に皆いるって』

Kyuru『ありがとー!』
Hatasan『頑張ろうね!』

パタパタと
【治療者】二人が走って行く




そんな人並みの中を
既存の装備とは違う
金色の鎧が通り過ぎて行った


Namika『あ GM (@_@)』
LAN『不具合かな?』


周囲がざわついた



【GM】とは
この世界の監視者、警備人で
運営側がキャラの中の人だ
ゲーム内のトラブルを
報告すると、解決に向けて
動いてくれる

ゲーム開始当初は
頻繁に街を歩いていたが、
久しぶりに見た


何しろ大イベント
多分キャラを動かして
異常が無いか
試しているんだろう

異常があれば
画面にテロップで放送される





Hawk『マック おはよ〜ん!』

Maxim『おはよ』

Hawk『なんか
朱華の盾とり行くとか
聞いたけど、いつ行くの?』

Maxim『決まってないよ
でもAsuraは先に
聖典とった方がいいと
思うんだけどなw』

Hawk『お!聖典・Ⅲならあるぞ
カバ倒した時に出たから』

Maxim『聖典・Ⅰだよw 』


Hawk『なw やばいだろそれ
もう強制だな 』

Maxim『だなw 』


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