りんねの歌

└夢のキオク





─*─*─*─*─*─*─*─*─*─


「りーんねー!」


あたしを呼ぶその声に振り返ると、あたしのお母さんがそこにいた



「はーいっ!」



まだ、世界がそこまで荒れ狂わなかった時あたしは確かに幸せだった。




お父さんとお母さんに囲まれて。



それだけで充分だったのに。





殺されたんだ、みんな。
正気を失ってた。




「おらどけよ!」

「きゃぁっ」


髪の毛を引っ張られるお母さんに、



「なめとんのか!」

「ぐぁっ」


大男に殴られるお父さんさん。





どうして。世界はこんなに変わってしまったのだろう……。


どうして。人間はこんなにも残酷で、醜くなってしまうのだろう……。




< 35 / 144 >

この作品をシェア

pagetop