地下
放課後
今日までが提出期限のレポート。


私はそれをトントンと机に軽く叩きつけ、端を整える。


「やっと終わったー」


私は印刷機のある一室に居た。


USBメモリーを印刷機備え付けのパソコンから抜き取る。


それを鞄にしまうと、レポート数枚を手に教員室へ向かった。


同じ階にある為、そう面倒臭くは無かった。


ただ夕方の今、昼間みたいな賑わいは無く私の足音だけが響く。


それが何とも言えない不安を植え付ける。


コツコツと鳴るヒールを身につけている自分に少しの後悔が付きまとった。


それなりの知名度がある大学。


大学2年生、西村愛華(ニシムラ アイカ)はその大学の廊下を歩く。


この通路は幸い明かりが点いているものの、他の場所は真っ暗。


この時間だし、学校の都合でサークル活動の無い今日、殆どの生徒は帰宅していた。


そして、節約の為と学校に明かりは数える程しか無かった。
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