君はここにいた。
それからは、黙々と作業を進めた。
1時間くらいは過ぎただろう。
「よし、終わった!」
小宮山が大きく伸びをして立ち上がった。
「まじ疲れた。けん、早く帰ろうぜ」
続いて、小宮山の隣に座っていたやつが立ち上がる。
名前はたしか、大倉。なかなかの人気者でよく目立っている。
転校初日、わざわざ僕のクラスまで挨拶しに来たのを覚えている。
「え―― アツ、藤村さん待ってたけど」
帰ろうとする大倉に、他のクラスのやつが声をかける。
大倉は少し驚いた顔をして振り返った。