君はここにいた。
「俺は、槝木」
「カシギ?」
「そう。木偏に島。よろしくな」
「あ、よろしく」
目の前に、槝木の手が差し出される。
こんなキレイなものに触れていいのだろうか。
そんな風に真剣に考えさせてしまうほど、彼の手は細長くキレイだった。
慎重に槝木と握手を交わす。
「…てゆーか、浅葱。お前、制服のその泥拭けよ」
「あぁ、そっか」
「ほら。タオルかしてやるから」
「ありがと」
槝木に差し出された、大きめのタオルを受け取る。
少し遠慮して、ちょびちょび泥を拭きとっていると、槝木は「遠慮するな」と言うように笑ってきた。