君はここにいた。
入学式会場の体育館に着くと、当然だが、すでに式は始まっていた。
市の役員だとかPTAの会長だとかが、形式ばったありきたりな祝辞を披露している。
生徒たちの半数が、そんな話は聞いていない。
新しく出逢った友達と、仲良く自己紹介しあったりしているのが見えた。
俺は、どうすればいいのかわからず、ただ立ち尽くしていた。
やがて、座席がクラス順になっているのがわかり、槝木にそれを知らせようとしたが、すでに槝木は何処かに消えてしまっていた。
槝木とは違うクラスだった。