Memory's Piece

「腹減ったし昼飯買ってくるよ。・・・頼兎はどうする?」


「あー、俺もちょっと出ます。」


「了解。じゃあこれ持ってけ。昼飯代も入ってるから」


小銭を小さな財布に入れて、渡してやると頼兎は驚いた「ありがとうございます」と素直に受けとった。

これがもし魅稀だったら「えー。波狼から施し受けてもなぁ」とかなんとか文句を言うもんだから、頼兎の反応はなんだか新鮮だ。


「サフも俺と来るか?」


膝の上で足をパタパタさせていたサフに聞くと、頭が縦に動いた。

魅稀がいないとなんだか物足りない気もするが、圧倒的にこっちのほうが平和だ。


「頼兎、サフ借りるな。じゃ。あ、用事終わったら適当に戻ってこいよ。」


サフを肩にのせて部屋を出た俺は、頭の中に買い物リストを浮かべながら心持ちも軽く足を踏み出した。


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