Memory's Piece

ちなみに、ボクは自分のカケラで哀の部分だけが欠落している。

まだまだ始めたばかりの頃に奪われた哀のカケラ。

今では誰が持っているのかも分からない状態だ。

べつにどうでもいいけどね。

ミッションクリアの報酬を貰って訓練所を出たボクは、報酬である怒のカケラを箱の中に投げ入れてボクはくるりと身を翻した。

広いホールのような訓練所の片隅にあるセーブポイントに近寄り、タッチパネルを操作する。

『セーブ完了です』

の言葉が画面に表示されたのを確認したボクは、さらにタッチパネルを操作してアイテムボックスの画面を開く。


忘れてたけど、服、汚れてたんだよね。

血だけなら大歓迎だけど肉片とか髪の毛とかはいらないオプションだし。


「んー。ゴスロリでいっか。」


複数あるアバターのなかから今着てるのと同じものを選んでクリックしたボクは瞬時に変わった服に満足して、結い上げたままだったポニーテールをツインテールへと結び直す。

ミッション中はポニーテール。そうでないときはツインテールって決めてるんだ。

血で汚れた服を新しくしたボクはログアウトボタンを押さずにパソコンから静かに離れる。

そういえば、いつだったかな?

最後にログアウトしたのは。


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