Memory's Piece
ボクの言葉に歓喜の光を溢れさせて、月夜見がその姿を現す。
「・・・これいうのどれくらいぶりだろ。」
ゲームを始めたばかりのぴっちぴちのルーキーだったときは毎日言ってた気がする。
ボク、最初は真面目っ仔だったんだなぁ。
「つっきー、今日は久々に本気暴れをしよっか。」
ボクがそう問い掛けてやると、月夜見はその身をより一層輝かせた。
どうやら最近の戦闘では物足りないものがあったらしい。
頼兎のこの前のあの暴れぶり(いまはボロボロの弱小クンだけど。)に触発されたらしい。
まぁ、あの時はボクもお荷物クン(あのボロボロの弱小クンのことだ)がいたからやられっぱなしだったし、最近はマジ戦闘なんてやってなかったから若干の欲求不満になりかけてて月夜見の好戦的な今の感じは大歓迎だけど。
「着いたっ!」
道なき道を駆け抜けて駆け付けたボクはその惨状にブワァッ耳と尻尾の毛を逆立てた。
あったはずの廃ビルは瓦礫へとその姿を変え、かろうじて立つ波狼とその後ろに庇われるようにして立つ頼兎が複数のプレイヤーに囲まれていたんだ。
――――・・・・・なんて、面白い状況なんだ・・・!
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