Memory's Piece

ボクは珍獣かっ。

後で頼兎をいたぶることを心に固く決めて、ボクはスッと体を低くした。


「弱いものイジメはいけないなぁ。せめて1対1が基本でしょう。卑怯な君達にはお仕置きが必要だねっ♪」


「・・・・・弱いものイジメ・・・?」


「違うだろ」と言わんばかりの呟きはまたしても頼兎のものだ。


「何か文句でもあるの?呟きシロー。」


「俺は呟きシローじゃねぇっ!」


フンッと鼻で笑うと、頼兎はついと言った感じで言い返してくる。


「お前なんか呟きシローで充分。」


きっぱりと言い切ると、頼兎はムッとボクを睨んできた。

しばらく考えるように視線をさ迷わせた後、なにを思ったのか頼兎はいきなりボクを指差して高々と宣言してくる。


「じゃあお前のこと今度から『ミケにゃん』って呼んでやるっ!」


「・・・いいよ?別に『ミケにゃん』でも。かわいいじゃん。」


「なっ・・・・!!」


「ほら、呟きシロー。早くハロを退けて。邪魔だよ」


拍子抜けといった感じの顔で硬直する頼兎にシッシッと手を振ってボクは突っ込んできた奴に月夜見を振った。

頼兎は『ミケにゃん』でボクが大人しく『呟きシロー』って呼ぶのをやめると思ったのかな。

どう考えても呟きシローの方が面白いのに。

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