デスゲーム
「ふむ、確かに。少しウチの後ろで伏せとけ」



ボッコンッ!!



そう言うとコノハは金棒で階段を思い切り殴った。地響きと大きな音と共に階段の片側が砕け散る。

その後パラパラと残骸が散らばり、埃が立ち上ぼる。大きな音で雫が半泣きになろうともコノハは顔色一つ変えない。


「うん♪ちゃんと上がれるようになったの。…何しとる?早くこんか」

「いやたくましい子…」

「怖くない怖くない。大丈夫大丈夫平気平気。我慢我慢辛抱辛抱」


俺の腕を強く握り締め、遂に雫の余裕がなくなった。念仏のように言いながら強く俺にくっつく。


「雫?…おんぶしてやるよ。それならしがみついてるだけだし楽だろ?」

「え?そんな…隼人君だって頑張ってるのに悪いですよぅ」

「もう十分お前の変なとこ見れたし、怖がる雫は腹いっぱいだわ。…それにっ、こんなのまだっ、頑張ってねえよ」


強引に雫をおんぶする。こうでもしないとゲームが進行しそうになかった。


「あの……ありがとう…ございます」


照れながらそう弱々しく言った一言を、微笑して受け取った。
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