デスゲーム
「いいだろう、くれてやる。そこの娘こっちにこい」

「ぇえ!?嫌です、暴力反対」

「雫、今存分に動けるのはお前だけ。むこうさんも、立つ体力も気力もねえよ。安心して行ってきな」


隼人君がそう言うなら…と戸惑いながら俺をコノハの横に座らせ近づいた。


「これが宝玉じゃ、受け取れ」


狼男が右人差し指を空に向けると光が集まり、紫色で、手の平に収まるほどの水晶が現れた。


「これ持ってとっとと消えろ。お前達がいるとグラサン外せられんだろう」

「あわわ…早く行きましょう?ね!?」

「分かったよ。もう用はねえし、悪かったな怪我させて」

「闘いはワシの意思じゃ、お前達は関係ない。それに、この程度の傷二日で治る」


軽く微笑して再び雫の手を借り校舎内へ戻る。コノハも痛みはあるものの、一人で歩けるようだ。

一階の適当な教室に入って少し休憩をとることになった。椅子に座って腹を抑える。


「ようやく一つ目の宝玉か。あと二つで鍵が揃うが、そう簡単ではないだろうな」

「じゃの。…仮にウチらが三つの宝玉を持ったとする。すると相手はどうでる?」
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