デスゲーム
「ごめんなさい。助けてくれたのには感謝する。けど九条を止めたいのよ。あんなの間違ってる。誰かを守るために誰かを傷つけるなんて」


早川の瞳が潤い始めた。これからの事考えてるんだろうな。自分が何をしてしまったか。もう後には引けないと自覚してる。


「裏切ったのは揺るぎない事実だし、正直戻ろうとも思っていない。だからお願い清水、私を仲間にして。力を貸して」


強い瞳で訴えかけてはいるが、半信半疑だ。仲間には加えたい。この空間に早川の居場所はないからな。

でももしあれが、今までの事が全て…


「演技だとしたらどうするかの?」

「え?」


ドアにもたれ、腕組みしながらコノハがストレートに発した。例え敵でも本心かもしれないんだから、少しはいじれよ。


「話がうますぎるの。そうやって仲間に成り済まし、あわよくば宝玉を奪う。それにウチらの監視もできる。まさに一石二鳥じゃの」

「確かにコノハの言うことは正論だ。客観的にみるとそれは…」

「そんな…」


しかしそれはあくまで推理にすぎない。真実は早川本人にしか分からないか。
< 348 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop