デスゲーム
「さあ、おとなしく宝玉を渡せ。後10秒…5…4…3…」

「ちっ、ほらよ」


宝玉を投げ渡すと、九条の手に3つの宝玉が揃った。それらを見つめ微笑した後、勝利を確信したのかステージに戻ってゆく。


「清水、手負いは大変だな。一人だとそんな罠すぐに逃げ出せれるのに」


とうとう演説台の前まで移動が完了してしまった。このままじゃ…。


「まず一つ目が収まったぞ?ただ見ているだけか」


氷室も他の誰もが話さない。今は俺と九条のやりとりだけ。雫も早川もコノハも、皆唇を噛み締めている。


「九条…お前は一人なんだな。おちゃらけな性格とは裏腹に、誰にも頼らず…信じるのは自分の力だけか」

「ああそうだ。周りに人を作るから、失った時の悲しみが生まれる。だから『デスゲーム』は俺一人で背負う事に決めたんだ。

さあ、二つ目が収まったぞ?」


あと一つ、あと一つで大きな展開が訪れる。だが今動けば必ず一人は火に炙られる。どうする?
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