デスゲーム
そう言いながら狼男の隣にいるのはヒサギだった。味方してくれる…のか。希望は捨てねえもんだな。


「太郎、戦闘モード」

「ほーい」


あれは太郎君?命令されたら身長が2メートルくらいになったぞ。しかも筋肉ボコボコ。


「みんな俺のために来てくれたのか?」

「当たり前だ。ワシらに退屈しのぎ、笑顔をくれたのはお前だ。恩くらい返させろ」

「貴様、ところで後ろのゲートはあと何分で使える?」

「…あと4分だ。それまで頼めるか?」


狼男とヒサギは任せろっとニヤつきながら霊の大群と対峙した。

宝玉を持ってた奴が二人だ。距離を開けて近付いてこない。


「あと2分。このまま何も起きないでくれよ」

「フンッ」


狼男が襲ってきた霊の一体を軽くあしらう。その模様を見て、ますます硬直が続く。


「あと1分。おい変態コンビ、お願いだ。俺が帰った後この穴を壊してくれ」

「へへ、了解」


これでもう転送装置は使えなくなる。どうやら無事に帰れそうだ。
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