デスゲーム
~悲観~
「ん、ここは?…雫?」


意識が戻り目を開けると別空間へ行く前の部屋に帰って来ていた。ここはあの館か。

でも理解しがたい事が一つ。椅子に座ったままだが、まさにキス直前の目を瞑った雫が目と鼻の先に…。


「ほえ?…あああわわ違います。これは違うんです」

「どうだった?目覚ましたか?」

「おかげ様でな。無事帰ってこれたよ」


立ち上がり辺りを見渡すと、俺と同じく全員無事に帰ってこれたみたいだな。

何故か皆驚いているが、九条は特に驚いている様子だ。


「マジ?柊ちゃんしたの?」

「してません!する直前で起きたんです。
…もう、九条君が『王子の目覚めはお姫様のキスだ――』っていうから…」


そういうことか。とはいえホッとしたような、残念なような…。ま、後で仕返しはするけど。


「その様子だと反省はしたようだな」

「まあな。ここで美鈴にこっぴどく怒られたよ。…過去が変えられないなら未来を変える。そうするよ」

「『自分を信じて強く生きろ』。…沙弥の最後の言葉だ。お前にも一応伝えとく」


九条は「そうか」とだけ呟いて空を見上げた。これであいつも立ち止まれなくなっただろ。
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