デスゲーム

～逃避行～

次の日の午後１３時、俺と雫は白樺公園に来ていた。雫の持つ携帯に一通のメールが入ったから。

逃げる準備をし、既に万全の対策を練っている。


「お嬢様お待たせしました。軽くルールの補足をします」

「涼君…。お願いします」


中村 涼。スーツに身を包んだそいつがダルそうに歩いてきた。一人のようで、他には誰もいない。


「では説明します。場所はここ白樺より半径１０キロ以内としましょう。なお、こちらは全２０名。１３時３０分に鬼ごっこ開始。旦那様から総力をあげて捕まえろ、との事です」


２０人から逃げるのか。しかも全員大人で訓練された人間。スリルがありそうだな。


「それとこれをお嬢様に。ＧＰＳ機能のついた携帯です。範囲外の場所はすぐに分かりますので」


なら俺達がむかう場所は数ヵ所に絞れる。例え居場所が分かろうと、一番安全な所へ。


「これでこちらの指令は終了です。そちらの質問は？」

「強いて言えば、これはゲーム。楽しくやろう。雫は？」

「涼君、私はあなたとも仲良くなりたい…昔のように。だから負けません」

「それは俺もです。ですが旦那様の指令とあれば容赦はしません。ではごきげんよう」