デスゲーム
「怖くないか?」


不安そうな雫の肩にそっと手を置く。

いつもの如くこの部屋は雰囲気に呑まれやすい。気をつけないと希望を失ってしまう。


「はい、大丈夫です。九条君とちー君はいけますか?」

「俺はいけいけ。柊ちゃんがキスしてくれたらもっと安心できるけど?」

「もう。…えへへ、スマイルで勘弁してください」


雫の笑顔を見た九条は顔を少し赤らめ視線を逸した。予想以上の絵で直視できなかったんだろうな。


「氷室は大丈夫か?」

「今さら恐怖なんて感じねえよ。お前は自分の事だけ考えろ。俺に柊に九条、『デスゲーム』に再戦した以上覚悟は決めてる」


そうだよな。半端な覚悟じゃここにはいないよな。自分のためと、こんな俺のために集まってくれたんだ。弱音は吐かない。


「ではワープするゼ?…そウそウ、今回は精神だけじャなく、肉体もワープするカラな♪」

「ちょっ、どういう意…」


俺が言いかけた所で別の空間へとワープした。が、意識はなくならずに、瞬きしたらすでに館とは違う場所だった。
< 472 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop