デスゲーム
「…俺は先に帰るよ。配布された荷物重いし」

「どうしても!どうしても一緒に帰りたいの」

「腕絡ませるな、うっとうしい。分かったから離せ」


凄い。優菜さん、明るくて黒崎を圧倒してる。小春はそんな光景を見ていて、黒崎と目が合った。

だがすぐに机へと視点を変えてしまう。恥ずかしいのか?


「うん!じゃあ二人で正門で待ってて。隣のクラスから白石呼んでくるから」

「ちょっ…。はぁ、行動早すぎ。……何見てんだよ。聞いてた、お前も一緒に帰るって?」

「ぇ?…あの…その…私…」


気持ちが流れ込んでくる。照れて恥ずかしくて、うまく言葉がでない。モジモジして何をすればいいか分からない。

そうこうしてると、急に黒崎が手を繋いできた。


「行くんだよな!?俺がいてもお前がいないと、俺があいつに怒られんの。早く行くぞ」


荷物まとめてて良かった。黒崎に強引に正門まで引かれる。

ドンドン先をゆくその背中に、とても言葉なんて出なかった。
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