1000文字の話。
【クライマックス】
―ガンッ!!

僕が、振り下ろした剣を、ゴブリンは左手の剣で軽く受け止める。そのまま力一杯押して行くが、ゴブリンの剣は一向に動かない。だが、押し戻される事も無かった。

…おかしい。

これだけ力の差があるのに、僕は大した傷を負って無い。上空を旋回するリュイの羽は、傷だらけだというのに。

だが、ゴブリンとの打ち合いで、体力は限界を超えていた。
冷たい風が容赦無く吹き付け、更に体力を奪って行く。屋上というよりは、かつての戦いで塔の上部が吹飛ばされた様な形だ。

『もう、終わりか?』

ゴブリンは、顔を引きつらせる様に、にやりと笑った。
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