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「そっか！実樹、よろしくなっ」
そう言って、
はにかんだような笑顔を見せる。
……実樹って…
なんで下の名前で呼ぶわけ？
私は、今までお母さん以外に
下の名前で呼ばれたことなんてなかったから
慣れない自分の名前の響きに、
少し、ドキドキしてしまった。
「……よろしく」
私はうつむきながらそう答えた。
こうやって慣れ慣れしく女子のこと
呼び捨てするようなやつ無理。
そう思って、黙って教科書を開いた。
