ぬくもりに触れたくて。

-喧嘩-


-喧嘩-


「りっくんのばかっ!
楽しみにしてたのに…。」

「仕方ないだろう?
急に会議入ったんだから…。」


響き渡る叫び声と宥めるような声。

「だからって…せっかくの記念日なんだよ?
…酷い…。」

「はぁ…。まろん。
分かってくれよ(苦笑)
もう子供じゃないんだから。」

…?!

「なんで…何も分かってない。りっくんにとって、そんな程度だったんだね。」

静かに立ち上がる。

「ちょっと…こんな夜中にどこ行くんだ。」

掴まれた手を振り切って玄関へと小走りでかける。

「おいまろん!!」

追い掛ける彼に見向きもしないで飛び出した。

大切にしたかった。

2人が付き合って

1年って言う日を

一緒に過ごしたかったの。

ただそれだけなのに。

「陸登のばか…っ」

2回も言っちゃった。

陸登は優しい。
私の気持ちも考えてくれるし気も遣ってくれる。

だからこそ、この日は2人にとって大切だって分かっててくれてる気がしたの。

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