愛しー時に抗うもの達ー
この薬の届け先―。

馬鹿デカイ屋敷に立て掛けられた表札。









―――新撰組










人斬りと恐れられる集団。私は、別に怖くない。


私を本当の人斬りから助けてくれたのはこの人達だったから。


京の人々は知らないだけだ。

こんなにも優しい人達なのに…

門番はいないみたいだった。開いている門から耳がつんざくような声を張り上げる。


「誰かー!」


すぐに、
ドカドカドカ
ジャリジャリジャリ。

「うるせッー!!ちっとは、静かになれねーのかッ」


理不尽なッー


「門番居なかったんです!!






はい、薬ですよ副長。」

この偉そうで、目付き悪いのがこの新撰組の鬼副長と呼ばれる男。

土方歳三


「お前と総司ぐれぇだぞ…;俺にそんな口きけるの!」


「呼びました?





あっ、鈴じゃないですか
久しぶりですね」


どこからかヒョロッと出てきた


「総司、元気だった?」


この優男が、新撰組一番隊隊長沖田 総司

剣術の天才につき性格もよしの抜け目のない男。



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