心の距離
「照れるなよ!みんな知ってるぞ?瞬とひろみちゃんが付き合ってるの」

「付き合ってねぇよ。何の話だよ?」

「え?この前、仕事早く終わってさ、いつもの居酒屋でことみちゃんの歓迎会したんだけど、偶然、梨恵とひろみちゃんが居て合流したんだ。その時にひろみちゃんが瞬と付き合ってるって言っててさ、ことみちゃんに『瞬くんが浮気しないように見張ってて下さいね!』って…客と付き合えないから、店に行くのやめたんだろ?」

黙ったまま缶ビールを握り締め、怒りをぶつけるようにテーブルを蹴り飛ばした。

「瞬?…違うのか?」

「ちげぇよ。俺、あの子の名前しか知らないし、話した事もほとんど無い」

「え?前にカラオケ呼んだ時って、電話で喧嘩してたんじゃ…」

「全部嘘だよ。あの女、マジで最悪…すげぇ嘘つきだ」

「超怖ぇ…ベッド借りるな…」
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