Hurly-Burly 【完】

聞いたところによるとあの子が通う学校

で同じクラスメイトそれに席だって近いと

いうではないか。

危険視するべき人物を野放しに出来る

ほど俺も優しくはない。

「何かあったらどうするのつもりですか?」

取り返しのつかなくなる前に、

引き離すべきだとは思う。

「でもさ、その逆じゃないか。

ひーちゃんに危険があったら

一番いい番犬になりそうだと思わないか?」

「貴方の考えることはやっぱり

よく分かりませんよ。」

朝陽さんはにんまりと笑う。

「まぁ、それでひーちゃん好きに

なられても俺としちゃ困るんだよな。

可愛い一人娘だし、不良になんか

やりたくはないよ。

けど、ひーちゃんは最近よく

笑うんだって聞いたらさ俺としても

立場がないじゃないねー。」

俺の目に映るあの子の笑顔はいつも

この人が作っていたような気がした。

「それじゃあ、あの話はどうするんですか?

俺はてっきりすぐ断りに行くものだと思い

ましたけどね。」

予測不可能なことをするこの人のことだから

全然読めない。

「断るつもりではいたよ。

でも、それじゃあひーちゃんのためには

ならないだろう?

俺だって嫌なんだよ。

それでも、我慢しなきゃならない。

ひーちゃんが決めたことを俺が

勝手に変えちゃいけないだろ。」

子どもみたいに拗ねてる貴方を

俺は尊敬していると言った自分に

恥ずかしくもなる。

どこまでも、大切にすることを忘れない。

最後は必ず誰よりもあの子の笑顔を守ろうと

する人だってのには着いてきて良かったと思う。




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