Hurly-Burly 【完】

梅雨って時期は本当に嫌いだ。

布団は干せなくて、ベタベタまとわりつく

湿気がテンションを下げてあたしの嫌いな

雨を降らせる。

梅雨は日本特有の季節だっていう。

この時だけはどっか晴れた国に出かけたい。

『今晩は非常に強い雨足で仕事は

なるべく早く切り上げて帰りましょう。

ところどころでは雷を伴う雷雨が発生

する地域もあるのでなるべく外に

出歩かないようにしましょう。』

天気予報のお姉さんもビックリだよね。

毎日、雨なんだから天気予想しなくても

雨ですって言えちゃうよ。

はぁー、今日は雷雨か。

サユ家にお邪魔になろう。

この日ぐらい甘えてもダディもマミーも

サユも修平君も怒らないもんね。

『ハニー、今日は大丈夫かい?』

ジョセフィーヌもう気分最悪だよ。

雷なんてなくなればいいのに。

「エサたくさん入れとくから

お留守番してくれる?」

『もちろんさ!』

何で、夜に雷雨なんかそんなもん鳴らしちゃうんだ。

今晩はサユに抱きついていよう。

もう嫌だ。

いつものことだし、大丈夫だよね。

今日を通り越しちゃえばまた

いつもどおりの雨が続く日々に戻るだけだもんね。

「日和ー、遅れるよ。」

自転車登校が出来ない最近はすっかり

傘ともお友達になってサユと登校する。

「サユ、今日行ってもいい?」

サユが気まずそうに眉を下げる。

「実は父さんが今母さんと一緒に

母さんの実家に帰ってるんだ。

父さん居ないけど大丈夫?」

そっか、ダディ居ないのか。

それは心細いな。

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