Hurly-Burly 【完】

そういえば、旅行の時もその組み合わせが

実現したんだっけっか?

ちぃーって、分かりにくいんだよな。

何を考えてるのかさっぱり分からない時ある。

寝てばっかりだし、天然さんだからなー。

たまに、訳の分からないこと言ってる。

あれが、俺らのトップだからな。

喧嘩はマジで強いし、ああ見えて信頼されてる。

ちぃーの権限が何よりも大事ってわけだ。

「伊織、チーズだよっ。」

ナルが伊織にたい焼きを渡す。

煙草を地面に落とそうとした伊織におっさんが

灰皿を持ってきてくれた。

このおっさん良いヤツだ。

京がナルの横でたい焼きを食べる。

そこに俺も交じってたい焼きを食べた。

周りでは他の奴らが騒いでる。

馨と慶詩もこっちに来て、たい焼きを食った。

「なぁ、どう思う?」

慶詩が口を開く。

「何が?」

京がふと慶詩を見ると慶詩が京の首に腕を回す。

「・・・暑苦しい。」

京は他人にはすげー冷たいヤツだけど、仲間に

なるととことん良いヤツなんだ。

「ウチのトップのことだよ。」

慶詩はたい焼きを頭から食べるのか。

俺は断然しっぽから食べる派だ。

「ちぃー?」

ナルがきょとんとした顔で慶詩を見る。

「ナル、おめぇー少し状況分かっとけ。」

そう言いながらも慶詩がナルに話し込む。

「でも、千治は日和ちゃん手放す気なんて

最初からなかったと思うけどね。」

馨はお茶を飲みながら校舎を見つめる。

「増々、相沢に謎が出来たよな?」

俺はあの一瞬の相沢の顔を見た時、

ヒヨリンを奪われる気がした。

ヒヨリンと相沢にはやっぱり只ならぬ

何かがあるに違いない。

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