Hurly-Burly 【完】

それは例えちぃーに頼んだことでも、俺は

嬉しかったと思う。

「日和ちゃんは思ってたよりも手強いだろうね。

あの事件だって、普通の子じゃどうなってたか

分からないしね。俺たちとの境界線を考えてくれて

何よりも迷惑掛けないようにってのが多分一番に

考えてくれてたんじゃないかな。」

やっぱり、馨は人の心が読めるのか?

「アイツ、何だかんだ人の顔色窺うって

言うのか?それで、よく考えてるっつうか。」

ヒヨリンがすごいのは多分どこまでも真剣に

俺たちと向き合ってくれてるからだ。

「おっ、ヒヨリン!」

ちぃーと一緒に現れたと思ったら、美男

に連れてかれたヒヨリン。

何だかんだ言って一番仲良く見えるのは

美男だと思う。

「よっちゃん、あたし甘いの食べれないっ!!」

ヒヨリンは美男と一緒に向こうに行って

他のメンツと一緒にたい焼きを食べながら

何か楽しそうに喋ってた。

「ようっ、丁度おめぇーのこと喋ってたところ

だったんだぜ?」

ちぃーがボケッとしながらこっちに座ると、

無言で袋からたい焼きを取り出した。

そして、たい焼きを一口食べる。

慶詩の問いかけに無言って・・・

「日和ちゃんには?」

馨は千治にお茶を差し出す。

「・・・アイツ、人の話聞いてねぇ。」

たい焼きを食いながらちぃーはヒヨリンの

背中をジッと見た。

「何だよ~、面白い話ねぇのかよ。」

慶詩は何を求めてたんだよ。

「でも、ちぃー良いことあった?」

ナルがちぃーの顔を見て笑う。

「俺はアイツが何考えてるか分からねぇ。」

ちぃーはたい焼きを腹から食べるヤツ

だったのか。

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